肩こりから頭痛や吐き気まで出るとき|先に確かめたい受診の目安と過ごし方
肩こりから頭痛や吐き気まで出てきて、仕事や家事が手につかない。首や肩がガチガチになったあと、頭が重くなり、気持ちが悪くなってくる。そんなお話をうかがうことがあります。この記事では、しゃくじいホワイト整骨院が、日本整形外科学会と日本頭痛学会の情報をもとに、肩こり・頭痛・吐き気について分かっていることと、日常で見直せることをまとめました。結論を先にお伝えすると、吐き気をともなう頭痛は「肩こりのせい」と自分で決めつけず、まず受診の目安を確かめ、続くときは医療機関で頭痛そのものをご相談いただくことが出発点になります。
先に確認してください。救急車(119番)や医療機関が先になるサイン
吐き気をともなう頭痛には、急いで対応が必要なものが含まれます。当院は医療機関ではなく、頭痛や吐き気の原因を調べることはできません。姿勢の話より先に、こちらをご確認ください。
ためらわず救急車(119番)を呼んでほしい症状
総務省消防庁のリーフレットでは、次のような症状が、ためらわず救急車を呼んでほしい症状として挙げられています(ここに挙げたのは一部です)。
- 突然の激しい頭痛
- 冷や汗を伴うような強い吐き気
- 突然の高熱
- 突然のしびれ、突然、片方の腕や足に力が入らなくなる
- 顔半分が動きにくい、または、しびれる
- 笑うと口や顔の片方がゆがむ
- ろれつがまわりにくく、うまく話せない
- 見える範囲が狭くなる、周りが二重に見える
- 支えなしで立てないぐらい急にふらつく
- 意識がない(返事がない)、またはおかしい(もうろうとしている)
- けいれんが止まらない、けいれんが止まっても意識がもどらない
- そのほか、いつもと違う場合、様子がおかしい場合
至急、医療機関を受診してほしい頭痛
日本頭痛学会は一般向けの解説で、急に起こった頭痛で、これまでに経験がないひどい頭痛、突然起こって短い時間でピークに達するような頭痛、熱がある、手足の麻痺やしびれをともなうような場合には、至急、脳神経外科または脳神経内科を受診して正確な診断を受ける必要があるとしています。頭痛が数週間のうちに悪化してくるような場合にも注意が必要とされています。突然激しく痛み出したとき、突然しびれたり片方の腕や足に力が入らなくなったりしたとき、突然の高熱のときは、上の119番の目安をご確認ください。
目の痛みや見えにくさをともなう吐き気
日本眼科学会は、緑内障のうち「急性緑内障発作」と呼ばれる状態では、眼圧が急に上がり、眼痛、視力低下、嘔気、嘔吐などが起こり、適切な治療をしても見る力に大きな障害が出る場合があると説明しています。目の痛みや急な見えにくさと一緒に吐き気があるときは、肩こりと決めつけず、すぐに眼科などの医療機関へご相談ください。急に見える範囲が狭くなった、周りが二重に見えるというときは、上の119番の目安をご確認ください。
妊娠中の方、出産後まもない方
日本産科婦人科学会は、妊娠高血圧症候群について「とくに、これまで経験したことがないような頭痛や、ろれつが回りにくい、手足が動きにくい、ふだんと違う胃の痛みや吐き気を自覚したら、すぐに産婦人科へ連絡してください」と案内しています。同学会は、高血圧は出産後に改善することがほとんどとしながらも、なかなか軽快しない方もいるとしています。出産後まもない時期に、これまで経験したことのない頭痛や吐き気があるときも、肩こりや寝不足のせいと決めつけず、出産した医療機関や産婦人科へご連絡ください。妊娠中・出産後でも、突然の激しい頭痛、ろれつがまわりにくい、片方の腕や足に力が入らない、けいれん、意識がおかしいなど、上の119番の目安に当てはまるときは、ためらわず救急車(119番)を呼んでください。
救急車を呼ぶか迷うとき、夜間や休日にどこを受診すればよいか分からないときは、東京消防庁救急相談センター(#7119・24時間365日)に相談できます(自動音声のあと「2」を押すと救急相談、「1」を押すと医療機関の案内につながります。番号を押さずに待つと「1」につながります。#7119のほか、03-3212-2323からもつながります)。
肩こりと頭痛・吐き気について、分かっていること
肩こりに頭痛や吐き気がともなうことはありますが、頭痛や吐き気の原因が肩こりだとは限りません。それぞれの学会が説明していることを、順に見ていきます。
肩こりには、頭痛や吐き気をともなうことがあります
日本整形外科学会は、肩こりの症状について、首すじや首のつけ根から肩・背中にかけて張った、凝った、痛いなどの感じがし、頭痛や吐き気をともなうことがあると説明しています。原因としては、首や背中が緊張するような姿勢での作業、姿勢の良くない人(猫背・前かがみ)、運動不足、精神的なストレス、なで肩、連続して長時間同じ姿勢をとること、ショルダーバッグ、冷房などが挙げられています。
一方で同学会は、首の骨(頚椎)の病気、頭の中(頭蓋内)の病気、高血圧症、目の病気、耳鼻咽喉の病気、肩関節の病気にともなう症状としての「肩こり」も少なくないとしています。肩こりについては、まず整形外科医に相談するよう呼びかけています。
吐き気は、頭痛の種類を見分ける手がかりの一つとされています
日本頭痛学会の一般向けの解説では、片頭痛は吐き気や嘔吐をともなうことも多いとされています。また、頭痛が始まる前に首の凝りなどを感じる方がいて、これは「予兆」と呼ばれ、視界にギザギザの光が見えるといった「前兆」とは区別されています。首の凝りが先に出たからといって、それが頭痛の原因だという意味ではありません。
同学会は、締めつけられるような頭痛が特徴の緊張型頭痛について、国際頭痛分類の診断基準(頻発反復性緊張型頭痛)では「悪心や嘔吐はない」ことが条件の一つになっていると紹介しています。ただし、頭痛が長く続く慢性の緊張型頭痛では、軽い吐き気をともなう場合があるとも説明しています。
つまり、吐き気があるかないかだけで頭痛の種類は決められません。頭痛の種類の見分けは、診断基準に沿って医師が行うものです。この記事を読んで「自分の頭痛は肩こりから来ている」「自分は片頭痛だ」と決めつけないようにしてください。日本頭痛学会は、数年以上前から同じような頭痛を繰り返している場合も、脳神経内科、頭痛専門外来、脳神経外科などの受診をすすめています。
医療機関でご相談になるときのために、記録をつけてみる
頭痛や吐き気がくり返し出る方は、次のようなことを書き留めておくと、医療機関で相談するときの手がかりになります。記録がそろうのを待つ必要はありません。
- 頭痛や吐き気が出た日と時間帯、どのくらい続いたか
- 首や肩のこりが、頭痛の前からあったか、あとから出てきたか
- 頭痛の様子(締めつけられる感じか、ズキズキと脈打つ感じか、動くとつらくなるか)
- 光や音をつらく感じたか、目の痛みや見えにくさがあったか
- その日の作業や姿勢、睡眠時間
- 頭痛薬を飲んだ日
頭痛薬を飲んだ日の記録には、もう一つ意味があります。日本頭痛学会は、鎮痛薬の飲みすぎで「薬剤の使用過多による頭痛」になり、頭痛がさらに悪化することがあるとして、鎮痛薬の飲みすぎに注意をうながしています。お薬の飲み方は、医師・薬剤師にご相談ください。服薬日数の目安は、以前の記事「頭痛が毎週のように起きて薬が手放せない」でご紹介しています。
吐き気が出ている日と、落ち着いている日で分けて考える
肩こりのセルフケアは、頭痛や吐き気が出ている最中ではなく、落ち着いている日に行うものと考えてください。
頭痛や吐き気が出ている日
頭痛や吐き気が強く出ているときは、首を回したり体操をしたり、長湯をしたりせず、楽な姿勢で休んでください。こっている肩を強く押したりもんだりするのも、その日は控えておくと安心です。そのうえで、冒頭の目安に当てはまらないかをもう一度確かめ、当てはまるときは医療機関へのご相談を優先してください。目安に当てはまらなくても、頭痛や吐き気がくり返す・続くときは、頭痛そのものはまず医療機関でご相談ください。お薬を飲むかどうかは、医師・薬剤師にご相談のうえで決めてください。
落ち着いている日
日本整形外科学会は肩こりの予防として、同じ姿勢を長く続けないこと、蒸しタオルなどで肩を温めて筋肉の血行を良くすること、適度な運動や体操をすること、入浴して体を温めリラックスすることを挙げています。これに加えて、当院からは次のこともおすすめしています。
- ノートパソコンを使うときは、台などで画面を上げ、目線が下がりすぎないようにする
- スマートフォンは、持つ手の肘を反対の手で支えて、画面を目の高さに近づける
- 画面に向かう作業が続くときは、ときどき立ち上がって肩を回し、遠くを見る
- ショルダーバッグは、いつも同じ側の肩にかけ続けないようにする
試してみて頭痛や吐き気、首の痛みが強くなるときは、そこでやめてください。季節の変わり目の肩こりや頭痛については、秋の寒暖差と肩こり・頭痛についての記事でもご紹介しています。
首や肩の姿勢について、当院が考えていること
しゃくじいホワイト整骨院は姿勢の改善に力を入れている整骨院ですが、吐き気をともなう頭痛について当院ができることは限られています。原因を調べることも、頭痛の種類を見分けることも、医療機関でなければできません。また、日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会が監修した「頭痛の診療ガイドライン2021」では、緊張型頭痛に対して姿勢矯正などの理学療法は広く行われているものの、有効性の根拠は十分ではないとされています。片頭痛は、姿勢の問題として説明できるものではありません。姿勢を整えることで、頭痛や吐き気が軽くなる・なくなるとお約束するものではありません。
そのうえで、頭痛については医療機関でご相談いただきながら、頭痛と一緒に気になっている首や肩のこわばりを見直したいという方には、頭の位置や背中の丸まり、肩の入り方、骨盤の傾きを確認し、首や肩に負担をかけにくい過ごし方をご一緒に考えていきます。ご来院の際は、通院先やお飲みになっているお薬を問診でお知らせください。当院でのご相談の内容は頭痛と一緒に気になる首・肩のこりのご案内ページにまとめています。
なお、健康保険の対象になる場合があるのは、いつ・どこで・どうして痛めたかがはっきりしている急性・亜急性の外傷(骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷)だけです(骨折・脱臼については、応急手当の場合を除き医師の同意が必要です)。くり返す頭痛や、慢性的な首・肩のこり、姿勢の見直しを目的としたご相談は、保険の対象外(自費施術)となります。詳しくはご相談ください。
当院は西武池袋線 石神井公園駅 南口から徒歩2分、年中無休で、平日は20時30分まで受け付けています。
この記事は、日本整形外科学会「肩こり」、日本頭痛学会「頭痛とは」「片頭痛」「緊張型頭痛」、日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会監修「頭痛の診療ガイドライン2021」、日本眼科学会「緑内障」、日本産科婦人科学会「妊娠高血圧症候群」の各ページ・資料、総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう」(令和7年10月発行)、東京消防庁「救急相談センター」をもとに、しゃくじいホワイト整骨院が要約・編集して作成したものです。
頭痛と一緒に気になる首や肩のこわばりを、見直したい方へ
首や肩のこりが続いて、ふだんの姿勢を見直したい方は、お気軽にご相談ください。上でご紹介した受診の目安に当てはまる方は、医療機関でのご相談を先にしてください。目安に当てはまらなくても、頭痛や吐き気がくり返す・続く方は、頭痛そのものについてはまず医療機関でご相談ください。お話をうかがったうえで、医療機関でのご相談をおすすめすることもあります。


